「NISAの仕組みを理解したい」
「どのような手順で始めたらいいの?」
「金融機関や商品はどうして選んだらいい?」
NISAで投資を始める時、このようなことでお悩みではありませんか。
投資は常に儲かるものではありません。だからこそ不安があるのは当然です。
投資で失敗しないためには、正しい知識を得て、正しい手順で行わなければなりません。
この記事を読めば以下のことがわかります。
・NISA制度の概要
・NISA投資の注意点
・初心者向けNISA投資開始の流れ
初心者にも始めやすくメリットのあるNISAを使って将来の資産形成をスタートしましょう。
NISA制度の概要
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
対象年齢 | 18歳以上 | |
非課税期間 | 無期限 | |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
生涯投資枠上限 | 買付残高1800万円(うち成長投資枠1200万円) | |
投資できる商品 | 金融庁の基準を満たす投資信託 ETF | ・上場株式 ・ETF ・REIT ・投資信託 ※毎月分配型・高レバレッジ型除く |
投資方法 | 積み立て | 積み立てまたは一括投資 |
資産の引き出し | いつでも可能 |
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISAの専用口座を使えば非課税となります。

1人最大1800万円までが非課税枠です。
NISAの対象者は18歳以上の日本国内に住所がある人で、口座開設年の1月1日時点で条件を満す必要があります。
1人が1口座を1金融機関にしか持てませんが、申請すれば1年ごとに金融機関の変更は可能です。
なお、NISA枠には「つみたて投資枠」(年間投資枠120万円)、「成長投資枠」(年間投資枠240万円)の2種類があり、1人で両方の枠を使えます。
併用すれば、非課税運用の枠が最大年間360万円となり、投資できる商品の種類が広がるのもメリットです。
ちなみに、運用資産はいつでも解約可能で、解約した翌年には投資元本ベースで枠が復活するので、再度空き枠を使って投資することができます。
NISA初心者が知っておくべき注意点

NISAには大きなメリットがある一方で、投資を始める前に知っておきたい注意点もあります。
主な注意点は以下の通りです。
・損益通算や繰越控除ができない
・元本割れの可能性がある
・使わなかった枠は翌年に繰り越せない

NISAはメリットばかりでなく、注意点もあるので、おさえておきましょう。
損益通算や繰越控除ができない
NISA口座で発生した損失は、他の口座の利益と損益通算できません。
損益通算とは、投資で得た利益と被った損失と相殺することです。
NISA講座以外の口座であれば、損益通算を行うことで税金の負担を減らせます。
また、その年の利益よりも損失の方が大きければ「繰越控除」することで、翌年以降最長3年間は利益との相殺が可能です。
しかしながら、NISA口座での利益は元々非課税であるため、NISA以外の口座で発生した損益との相殺はできません。
同様に「繰越控除」についても不可能です。
元本割れの可能性がある
NISA投資は、預金と違い元本保証されていません。
したがって、相場が下がれば元本割れする可能性があります。
しかし、元本が割れたからといって、慌てて売却するのはおすすめできません。
過去のデータを見ると、相場は長期的には上がり下がりを繰り返しています。
長期で保有すれば一時的な損失を回復し、その後利益を出す可能性が高いです。
それでも元本割れのリスクが心配ならば、最初は失っても気にならない程度の小さな金額から始め、慣れていきましょう。
使わなかった枠は翌年に繰り越せない
その年に使わなかった非課税枠は、翌年に繰り越すことができません。
例えば、つみたて投資枠の年間120万円のうち80万円しか使わなかった場合、残りの40万円は消失してしまいます。
つまり、翌年に残り40万円を上乗せして投資はできません。
毎年新たに年間投資枠がリセットされるため、非課税のメリットを最大限活用するには、その年のうちに枠を使い切ることが重要です。
ただし、無理をして投資枠を使おうとしてはいけません。
ご自身の家計にあった計画的な積立を行いましょう。
初心者向けNISA投資開始の流れ

はじめてNISA投資を行う際の手続きについて解説します。
手順は、金融機関を選ぶ→口座開設→商品選び→積立設定という流れです。
はじめは、手続きが多く面倒かもしれませんが、一つひとつの手順はそれほど難しくありません。
金融機関では照会窓口やインターネットのチャットサービスを用意しているので、わからなければ直接確認しながら進めていきましょう。
1.金融機関を選ぶ
2.口座を開設する
3.商品を選ぶ
4.積立設定をする

4つの手順を順番に説明します。
金融機関を選ぶ
NISA口座は銀行、証券会社、ネット証券で開設できます。
ネット証券は手数料が安く商品も豊富で人気あり。
銀行や証券会社でもネット取引は可能で、窓口相談と併用できるのが特徴です。
それぞれの、商品数、手数料、サポート体制を比較して自分にあった金融機関を選びましょう。
金融機関の比較表(ネット取引対応を反映)
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
ネット証券 | オンライン専業、商品数が豊富 | 手数料が安い、操作がシンプル | 対面サポートがない |
銀行 | 窓口(ネット取引対応も可) | 相談しながら進められる、信頼性高い | 商品数がやや少なめ、手数料やや高め |
証券会社(店舗型) | 窓口(ネット取引対応も可) | 専門家に相談でき、安心 | 手数料が高め |
口座を開設する
選んだ金融機関に口座開設を申し込みましょう。
申請書類のほか、本人確認資料・マイナンバーの提出が必要です。
金融機関から税務署に申請し、二重口座開設でないことを確認した上で、NISA口座が開設されます。
申し込みはスマホやPCででき、必要書類もほとんど必要ないので短時間で手続きが可能です。
購入する商品を選ぶ
初心者におすすめの銘柄は、「インデックスファンド」と呼ばれる投資信託です。
具体的には、全世界株式ファンドや米国株式ファンドなどです。
購入手数料がかからず、信託報酬と呼ばれる年間の運用コストが低いというメリットがあります。
「成長投資枠」では、上場株式等の商品やインデックスファンド以外の投資信託も購入できます。
ただし、リスクの高い商品も多く、商品選択に慣れていない初心者にはおすすめできません。
「積立投資枠」「成長投資枠」ともにインデックスファンドから商品を選びましょう。

初心者であれば「インデックスファンド」から慣れるのをおすすめします。
積立設定する
購入する商品が決まったら積立設定をします。
積立金額は最低100円から上限は月10万円から可能です。
初心者は無理のない小さな金額からスタートしましょう。
積立の頻度は、毎月が一般的ですが、毎日積立も可能です。
また、特定の月の金額を増やすボーナス設定もできます。
決済方法は、銀行引き落としの他クレジットカードもあり、カードのポイントを貯めるためにクレジットカードを選ぶ方も多いです。
積立の条件は金融機関によって異なるので、HPなどで確認してください。
NISA初心者によくある質問

NISAを検討する際、多くの初心者の人が抱く疑問や質問があります。
よく寄せられる質問を回答をまとめましたので、疑問を解消し、安心してNISA投資を行ってください。
金融機関が倒産したらどうなるのか?
金融機関が倒産した場合でも、NISA口座で保有している投資信託・株式などの資産は、投資家の財産として法的に保護されます。
「分別管理」と呼ばれる仕組みで、金融機関の財産とは別に管理されるのです。
ただし、最終換金されるまでに時間がかかる場合があるので注意してください。
NISAは貯金の代わりになりますか?
NISAは貯金の代わりにはなりません。
元本保証がなく、資産が減る可能性があるからです。
また、貯金と違いすぐに現金化できない場合もあります。
そのため、確実に必要なお金は貯金で確保し、投資は余裕資金で始めましょう。
もっとも、NISAは運用益が非課税になるなどのメリットもあり、将来に向けた資産形成には有効な制度です。
相場が大きく下がった時にはどうしたらいいか?
相場が大きく下がった時は、慌てて売却せずに冷静に対応してください。
一時的な相場の下落は珍しいことではありません。
歴史的に見れば下がった相場は、数年たてばほとんどが元の水準まで戻り、さらに上昇しています。
むしろ、相場が下がった時は安く購入できるチャンスともいえるでしょう。
不安になった時こそ、長期的な視点を持つことが大切です。
まとめ

NISAは18歳以上が利用できる非課税投資制度で、つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)を併用できます。
生涯投資枠は1,800万円で、資産はいつでも引き出しが可能です。
但し、損益通算や繰越控除ができないことや、元本割れのリスクがあることなどには注意しましょう。
投資を始める際は信頼できる金融機関を選び、インデックスファンドなどの商品を選択し、無理のない金額で積立設定を行ってください。
長期的な視点で運用することが成功の鍵です。
NISA投資は初心者でも安心して始められます。
少額からでもいいので、怖がらずにやってみましょう。