【2025年版】老後資金はいくら?「あなたに必要な金額」を知る方法

ライフプラン

「老後資金に2000万円も本当に必要なの?」

「平均ではなく我が家の必要額を知りたい」

このようなことでお悩みではありませんか。

2019年に「老後2000万円問題」が話題となって以降、老後のお金が足りるのか不安を感じる方は多いでしょう。

しかし、2000万円というのはあくまで過去の一時点のデータです。毎年の統計ごとに数字は変動しており、一人歩きした数字に惑わされる必要はありません重要なのは平均値ではなく、あなた自身の必要額を把握することです。

そこでこの記事では、以下について解説します。

  • 最新統計による老後の生活費と内訳
  • 夫婦や独身などパターン別の必要額
  • 50代から間に合う3つの対策

この記事を読めば漠然とした将来への不安が解消し、今やるべきことが明確になります。ぜひ最後までお読みください。

老後資金はいくら必要?夫婦・独身の平均データと実態

老後資金に万人に共通する正解はありません。必要な額はライフスタイルなど個人の状況によって大きく変わるからです。

しかし、目安を知ることは理解を進めるきっかけになります。本章では総務省の2024年最新データをもとに、夫婦・独身世帯のリアルな収支実態を解説します。まずは世間の平均を把握し、自分たちのライフプランづくりの参考にしてください。

【最新統計】65歳以上の夫婦世帯の生活費平均

総務省の2024年家計調査によると、65歳以上の夫婦無職世帯では毎月約3万4,000円の赤字が発生しています。実収入約25万3,000円に対し、消費支出は約28万7,000円となるためです。

これは、2019年に「老後2000万円問題」として大きく報じられた際の根拠データ(2017年時点の赤字約5.5万円)と比較すると、収支は改善していると言えます。しかし、依然として公的年金だけでは不足する実態に変わりはありません。

生活費(消費支出)の内訳イメージは以下の通りです。

  • 食費: 約7〜8万円
  • 光熱・水道: 約2〜3万円
  • 交通・通信: 約3万円
  • 教養娯楽・交際費: 約4〜5万円
  • 住居費: 約1万6,000円

特筆すべきは、データ上の住居費が平均約1万6,000円と非常に低いことです。これは多くの世帯が持ち家であることを前提とした数字であるためです。賃貸住まいや住宅ローンが残る世帯は、実際の住居費との差額をさらに上乗せして計算する必要があります。

【最新統計】65歳以上の単身(独身)世帯の生活費平均

65歳以上の単身無職世帯では、毎月約2万8,000円の赤字が発生しています。実収入約13万4,000円に対し、消費支出が約16万2,000円かかるためです。

この場合も同様に住居費が平均約1万3,000円程度である点には注意を要します。

また独身世帯は食費や光熱費の基本料金を一人で負担するため、夫婦世帯に比べて生活費が割高になります。特に女性は平均寿命が長く、資産が尽きるリスクが高まるため、余裕を持った資金計画が求められます。


【パターン別】老後資金はいくら必要?最新データで見るリアルな不足額

老後資金の必要額に、万人に共通する正解はありません。

家族構成やライフスタイルによって、生活費の収支が大きく異なるからです。

ここでは、総務省の2024年最新データをベースに、4つの具体的なパターンで不足額を算出しました。

ご自身がどのパターンに当てはまるかを確認し、目標とすべき貯蓄額の目安を把握しましょう。

パターン1:夫婦世帯(持ち家・標準的な生活)

結論:生活費の補填として「約1,230万円」が必要です。

65歳以上の夫婦無職世帯(持ち家前提)の平均的な収支は以下の通りです。

  • 実収入: 25万2,818円
  • 消費支出: 28万6,877円
  • 毎月の赤字: 3万4,058円

公的年金などの収入に対し、生活費が毎月約3.4万円不足します。

この赤字が30年間(65歳〜95歳)続くと仮定した場合、不足額の合計は約1,226万円となります。

かつて話題になった「老後2000万円問題」は2017年のデータ(月5.5万円の赤字)に基づいていましたが、最新統計では収支が改善し、必要額は約6割まで減少しています。

持ち家があり、平均的な生活を送る夫婦であれば、まずはこの「1,230万円」が最低限確保すべきラインとなります。

パターン2:独身世帯(持ち家・標準的な生活)

結論:生活費の補填として「約1,000万円」が必要です。

65歳以上の単身無職世帯(持ち家前提)の平均的な収支は以下の通りです。

  • 実収入: 13万4,116円
  • 消費支出: 16万1,933円
  • 毎月の赤字: 2万7,817円

独身世帯でも、やはり公的年金だけでは毎月約2.8万円が不足します。

同様に30年間で計算すると、不足額の合計は約1,000万円です。

独身の場合、光熱費や食費が割高になる傾向がありますが、平均的な支出額に抑えられれば、夫婦世帯よりも準備すべき総額は少なくなります。

ただし、これには「介護」などの緊急予備費が含まれていない点に注意が必要です。身寄りが少ない場合は、生活費の赤字補填とは別に、施設入居や入院保証に備えた現金の確保が不可欠です。

パターン3:ゆとりある生活を望む場合

結論:標準額に加え「3,000万円以上」の上乗せが必要です。

パターン1・2で示した金額は、あくまで「平均的な暮らし」を維持するための不足額です。

「たまには夫婦で旅行に行きたい」「趣味にお金を使いたい」などの希望を持つ場合、支出は平均値を大きく上回ります。

生命保険文化センターの調査によると、ゆとりある老後生活費の平均は月額約38万円と標準的な支出よりも約10万円高い水準です。

毎月10万円のゆとり費を30年間続けると、3,600万円の追加資金が必要になります。

標準的な不足額(約1,230万円)と合わせれば、必要総額は約4,800万円に達します。

この金額を準備するとなると、年金以外の収入源確保や現役時代からの計画的な資産形成が欠かせません。

もちろん、ゆとりの定義は人それぞれです。月38万円もいらない方もいれば、それでは足りない方もいるでしょう。

重要なのは、自分がどのような老後を送りたいかを具体的にイメージし、その生活レベルに見合った上乗せ額を想定することです。

パターン4:賃貸住まいの場合

結論:標準額に加え「2,000万〜3,000万円」の上乗せが必要です。

パターン1・2の統計データにおける「住居費」は、持ち家世帯が多く含まれているため、月額1万〜2万円程度と低く算出されています。

賃貸にお住まいの方は、この平均値と実際の家賃との「差額」を上乗せしなければなりません。

仮に、家賃や更新料を含めた住居コストが月7万円かかるとします。

統計上の住居費との差額が約6万円発生する場合、30年間で支払う家賃総額は2,160万円になります。

  • 夫婦世帯(標準不足額):1,230万円
  • 家賃上乗せ分:2,160万円
  • 必要総額:3,390万円

賃貸派の方は、持ち家派に比べて圧倒的に多くの現金が必要になります。

老後は住み替えの審査が厳しくなるリスクもあるため、更新料や引越し費用も含め、かなり余裕を持った資金計画を立てる必要があります。

以上のパターンをまとめると以下の通りです。家賃の上乗せは2,000万円としました。

平均的な生活〜ゆとりのある生活
(持ち家のケース)
平均的な生活〜ゆとりのある生活 
(賃貸のケース)
夫婦
世帯
約1,200万円〜4,800万円約3,200万円〜6,800万円
独身
世帯
約1,000万円〜4,600万円約3,000万円〜6,600万円

「老後2000万円」はあくまで目安!統計の変動と「自分軸」で備える重要性

「老後2000万円」という数字が独り歩きしていますが、これを絶対視する必要はありません。なぜなら、この数字は集計する年によって大きく変動するからです。

統計データはあくまで過去の平均値に過ぎません。重要なのは世間の数字に振り回されることではなく、変動するデータを冷静に見つめ、あなた自身の家計状況に基づいた計画を立てることです。平均値は一つの目安として捉え、自分にとっての必要額を計算することから始めましょう。

平均値より「ねんきん定期便」!まずは正確な「収入」を把握する

自分にとっての正解を知る第一歩は、将来入ってくるお金を確定させることです。

平均値を見るよりも、ご自身の「ねんきん定期便」を確認するのが最も確実です。

特に50代の方に届く定期便には、これまでの納付実績に基づいた、実態に近い「年金見込額」が記載されています。

これが、あなたの老後生活を支える「ベース収入」となります。まずはこの数字をしっかりと把握しましょう。

現実に即した「支出額」を見積もる

収入がわかったら、次は出るお金つまり「支出」の予測です。

老後の生活費は、現在の生活費の「7〜8割程度」になると言われていますが、これも個人差があります。

統計上、高齢者の支出は加齢とともに食費や交通費が減ることで縮小する傾向にあります。

現在の家計簿をベースに、「老後になくなる支出(スーツ代など)」と「老後も続く支出(光熱費・医療費など)」を仕分けしてみてください。

算出した予想支出額から、先ほどの年金見込額を引いた数字が、あなただけの「リアルな不足額」です。

万が一に備える!「医療・介護・リフォーム」などの大口出費

毎月の赤字補填とは別に、突発的な大口出費への備え(予備費)が不可欠です。

主なリスクは「介護」「医療」「葬儀」「住宅」の4つです。

最新の統計によると、介護費用の総額は1人平均約542万円、65歳以降の医療費自己負担額は約200万円と推計されています。

これだけで1人あたり約740万円のリスクがあります。

さらに、以下の費用も考慮すべきです。

  • 葬儀費用: 1人あたり約150万〜200万円(飲食・返礼品含む)
  • 住宅リフォーム: 外壁塗装や水回り改修で300万〜500万円

これらの費用は年金では賄えません。生活費の補填分とは財布を分け、いざという時に使える現金として、1人あたり500万円〜800万円を「予備費」として確保しておくことが重要です。


50代からでも間に合う!老後資金不足を解消する3つの対策

「計算してみたら、やっぱり足りない」

そう感じても、諦める必要はありません。50代は老後に向けた「最後の調整期間」です。今から行動を起こせば、未来は十分に書き換えられます。

ここでは、資金不足を解消するための3つの確実な方法を紹介します。これらを組み合わせることで、老後資金の寿命を一気に延ばすことが可能です。

働く期間を延長して「資産寿命」を延ばす

老後資金不足を補う最も強力な手段は「長く働くこと」です。

勤労高齢者世帯の家計収支を見ると、無職世帯とは異なり、どの年代でも家計収支が黒字になっています。

  • 60〜64歳: 月約9万8,000円の黒字
  • 65〜69歳: 月約11万3,000円の黒字
  • 70歳以上: 月約9万円の黒字

働いて収入を得ている間は、貯蓄を取り崩す必要がありません。むしろ資産を増やせます。

さらに、就労収入で生活費を賄えば、公的年金の受け取りを遅らせる「繰下げ受給」も選択肢に入ります。繰下げを行えば、年金額を将来的に増やすことができ、長生きリスクへの最強の備えとなります。

家計の見直しと「固定費削減」で貯蓄ペースを上げる

老後破綻の最大の原因は、現役時代の高い生活水準を定年後も引きずってしまうことです。

収入がある50代のうちに、生活を「ダウンサイズ」させることが重要です。

まず着手すべきは「固定費」の削減です。子供が独立したタイミングで生命保険の保障額を最小限にする、乗らない車を手放す、通信費を見直すなど、使わないスポーツジムの契約を解約するなど聖域なくメスを入れましょう。

50代は教育費が終わり、定年までの「最後の貯めどき」と言われます。ここで生活コストを下げ、浮いたお金を貯蓄や投資に回すことで、老後の家計を劇的に楽にします。

新NISAを活用して「お金に働いてもらう」仕組みを作る

銀行にお金を預けているだけでは、インフレによって資産の実質的な価値が目減りしてしまいます。

50代からでも遅くはありません。新NISAなどを活用し、資産の一部を世界経済の成長に乗せることを検討してください。

退職金などのまとまった資金を一度に投資する必要はありません。月々の給与からコツコツと積み立てることで、リスクを抑えながら資産を守り育てる効果が期待できます。

「守り」の預金と、「攻め」の運用をバランスよく組み合わせ、インフレに負けない資産寿命の延命を目指しましょう。


自分の正解がわからない時は「独立系FP」に相談すべき理由

「老後のお金を自分で計算しても自信が持てない」

「見落としがある気がして不安だ」

そう感じるのは当然です。複雑な年金制度や税金、運用リスクをすべて個人で把握するのは容易ではありません。

そんな時に頼りになるのが「独立系ファイナンシャルプランナー(FP)」です。

FPは特定の金融機関に属さず、中立的な立場から家計を診断する専門家です。

なぜ、銀行や保険ショップではなく独立系FPを選ぶべきなのか。その理由を解説します。

一般論ではなく「あなただけのライフプラン」を作成できる

ネット上の簡易シミュレーターでは、個別の複雑な事情までは反映できません。

独立系FPは、親の介護やリフォーム時期、趣味の予算などを細かくヒアリングし、あなただけの詳細な「キャッシュフロー表」を作成します。

これにより、「何歳で資金が底をつく可能性があるか」「具体的にいつ、いくら不足するか」が数十年先まで可視化されます。

漠然とした不安が明確な課題に変わることで、打つべき対策もハッキリします。

また、夫婦間でお金の話は避けがちですが、第三者が入ることで冷静な話し合いが可能です。

プロが調整役となり、夫婦共通の認識と目標を作れる点も大きなメリットです。

金融機関に属さない中立的な立場でアドバイスがもらえる

銀行や保険会社に所属するFPは、どうしても自社商品を販売するための「営業」になりがちです。

無料相談の裏には、投資信託や保険契約というゴールが設定されている場合が多々あります。

一方、独立系FPは金融商品の販売ノルマを持ちません。

商品を売ることではなく、相談者の家計を改善し、人生の目標を達成させることをゴールとしています。

そのため、不要な保険の解約や、コストの安い商品の提案など、真に顧客の利益になるアドバイスが可能です。

大切な退職金や老後資金を守るには、利害関係のない中立的なパートナーを選ぶことが成功の鍵となります。


老後資金に関するよくある質問

老後への不安は尽きず、多くの方が同じような疑問を抱えています。

ここでは、特に50代の方から多く寄せられる「切実な悩み」を2つピックアップしました。

プロの視点からの回答を参考に、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

不安を解消するためのヒントが見つかるはずです。

50代で貯金がほとんどありません。今からでも間に合いますか?

結論から言えば、手遅れではありませんが、今すぐ劇的な対策が必要です。

まずは「共働きで世帯収入を維持する」「定年後も長く(70歳まで)働く」「固定費を極限まで削る」の3つを実行してください。

目標は、単に貯蓄額を増やすことだけではありません。

最も重要なのは、生活水準を「公的年金の受給額の範囲内(または僅かな赤字)」にまでダウンサイズさせることです。

年金だけで暮らせる家計体質さえ作ってしまえば、多額の老後資金がなくても破綻は防げます。

悲観して立ち止まるのではなく、今日から家計改善に着手しましょう。

退職金で住宅ローンを一括返済すべきでしょうか?

一括返済には慎重になるべきです。

借金がなくなる安心感は得られますが、引き換えに手元の現金(虎の子)が一気に減ってしまうリスクがあるからです。

定年後は現役時代のように、簡単に銀行からお金を借りることができません。

もし現在の住宅ローン金利が低いのであれば、あえてローンを残し、手元に現金を確保しておくことをお勧めします。

病気や介護、災害などの緊急時に、すぐに使える現金(流動資産)があることは、心の安定にもつながります。

金利状況や健康状態によって最適な判断は異なるため、迷う場合はFPにご相談ください。


まとめ:平均値に惑わされず「我が家の必要額」を把握しよう

老後資金に関するニュースや平均データは、経済状況によって常に変化し続けます。

かつて世間を騒がせた「2000万円」という数字も、最新の統計では「約1200万円」にまで減少しました。

このように変動する平均値に一喜一憂し、過度な不安を抱く必要はありません。

大切なのは世間の常識ではなく、あなた自身の現実を見つめることです。

不安を解消し、安心できる老後を迎えるために、以下の3ステップを実践してください。

  1. 「ねんきん定期便」で正確な収入を知る
  2. 現在の生活費をもとに、自分たちにとっての「リアルな不足額」を計算する
  3. 「長く働く」「家計ダウンサイズ」「資産運用」で対策する

特に「長く働くこと」は、家計収支を劇的に改善させる最も確実な手段です24。

健康である限り働き続け、資産を取り崩さない期間を作ることが、老後資金の寿命を延ばします。

もし、自分たちだけで計算するのが難しいと感じたり、見落としがないか不安な場合は、独立系FPにご相談ください。

平均値ではない、あなただけの「安心できる資金計画」を一緒に作りましょう。